5大シャトー&ディケム
Chateau Lafite Rothschild シャトー・ラフィット・ロートシルト
ボルドー5大シャトーの筆頭として名高いシャトー・ラフィット・ロートシルト。13世紀にはラフィットは文献に登場していますが、ワインの評判を確立するのは、ニコラ・アレクサンドル・セギュール侯爵が所有していた18世紀になります。ヴェルサイユ宮殿でも高く評価され、貴族たちのステータスシンボルとして愛されるようになります。その後、何代ものオーナーを経て、歴史に翻弄されながらも、ボルドーの頂点にふさわしいワインへと成長していきます。近代でも、テクニカル・ディレクターのシャルル・シュヴァリエにより更なる改革が進められ、5大シャトー筆頭の地位を不動のものにしています。
Chateau Latour シャトー・ラトゥール
5大シャトーの中でも常に最高の品質と評価されるシャトー・ラトゥール。ラトゥールのシンボルでもある塔は、中世ヨーロッパに建設された要塞です。ラトゥールもラフィットと同じく、18世紀にニコラ・アレキサンドル・セギュール侯爵に所有され、評判を高めていった歴史があります。ラトゥールの大きな特徴のひとつが、畑の半分以上を占める「ランクロ」と呼ばれるエリアです。このエリアは水はけのよい砂利質の土壌で、ジロンド川から温かい風が流れることにより、過度な温度変化を防止し、上質なカベルネ・ソーヴィニヨンを収穫することができます。醸造方法にもこだわり、昔ながらの手法と最先端の技術の両方を採り入れることで、安定した品質のワインを生み出し続けています。
Chateau Mouton Rothschild シャトー・ムートン・ロートシルト
ムートンのアートラベルは、1924年にフィリップ・ド・ロスチャイルド男爵がポスター画家ジャン・カルリュに依頼したのが始まりでした。その後、1945年からはアートラベルが毎年企画されるようになり、シャガール、ピカソ、ダリといった巨匠アーティストを起用。ムートンの卓越した品質もさることながら、そのラベルの優れた芸術性から、世界中のワイン愛好家に高い支持を受けています。
Chateau Margaux シャトー・マルゴー
5大シャトーの中で、最も女性的といわれるシャトー・マルゴー。香りから口当たり、味わい、そのすべてがエレガントで繊細です。19世紀後半のベト病や世界恐慌などにより、一時品質を落としてしまいますが、1977年にアンドレ・メンツェロプロスが所有してからは、醸造学者エミール・ペイノーをコンサルタントとして招き、ブドウの栽培方法や樽による熟成の見直しを行うなどの改革を行いました。そうして再び名声を取り戻し、コリーヌが引き継いだ後もさらなる成長を遂げています。シャトーでは有機栽培が採用されており、2012年からグランヴァンの畑はすべてビオロジックで栽培をしています。
Chateau Haut-Brion シャトー・オー・ブリオン
5大シャトーの中で唯一グラーヴ地区からメドック1級に格付けされているシャトー・オー・ブリオン。シャトーには500年以上の歴史があり、創始者であるジャン・ドゥ・ポンタック以降、数々のオーナーの手に渡るなかで、シャトーは限りない発展を遂げてきました。1934年にアメリカのディロン家が所有してからは、最先端の技術が採用され、より品質を高めています。エレガントで香り高く、柔らかみがあるため、他の5大シャトーに比べて親しみやすいスタイルです。
Chateau dYquem シャトー・ディケム
粘土、砂礫、石灰岩の交じる複雑な土壌、貴腐菌を生むシロン川からの湿度、地下に張り巡らした排水システムなどの恵まれた自然環境に加え、一切の妥協を許さない入念な収穫がシャトー・ディケムの品質を支えています。150人もの摘み手が、完全に熟した最良のブドウのみを厳選して収穫を行うことで、非常に高い熟成ポテンシャルを持った、最高品質のワインを生み出し続けています。
マルゴー
Chateau Palmer シャトー・パルメ
マルゴーのテロワールの個性を見事に表現しているパルメは、あのシャトー・マルゴーに次ぐ評価を受けており、1級と2級の中間の価格で取引されています。パルメの真髄は、その芳醇さと、素晴らしくきめの細かいタンニンに由来する触感の質です。また時間と共に強まるその芳香は逸品です。テロワールも関係していますが、メルローの割合が高いことも大きな要因です。
Chateau Bel Air Marquis d'Aligre シャトー・ベレール・マルキ・ダリグル
シャトー・マルゴーを筆頭に、数々の名立たるシャトーが集まっているマルゴー村に、ひっそりと存在しているのが「ベレール・マルキ・ダリグル」です。現オーナー兼ワインメーカーのジャン・ピエール・ボワイエ氏が、長年に渡り培ってきた技術と経験から、驚くべき品質のワインを造り出しています。優れたヴィンテージに極少量のみリリースがされ、満足のいかない年はバルクで売却されます。埃一つない洗練されたワイナリーや、華やかな建造物、高級ブランドなどとは無縁のボワイエ氏が手掛けるワインは、失われつつある古き良きクラシックなボルドーを体現しています。
ポイヤック
Chateau Pichon Lalande シャトー・ピション・ラランド
ピション・ラランドは毎年のように傑作を生み出す、ポイヤック2級シャトーのトップランナーです。2007年からルイ・ロデレールの傘下に入り、醸造設備への投資と畑の植え替えを進めてきました。ポイヤックの貴婦人と呼ばれることからも、女性的でエレガントなスタイルが特徴です。
Chateau Lynch Bages シャトー・ランシュ・バージュ
ランシュ・バージュはメドック格付け5級のシャトーですが、その品質は素晴らしく、トップシャトーに匹敵する実力があるとされるスーパーセカンドの1つです。北にはムートンとラフィット、南にはラトゥールが位置し、なかでも「バージュの丘」と呼ばれる最良のブドウが収穫できる場所に畑を所有しています。スパイシーな香りと力強い味わいが特徴です。
サン・ジュリアン
Chateau Ducru Beaucaillou シャトー・デュクリュ・ボーカイユ
デュクリュ・ボーカイユはメドック格付け2級のシャトーであり、スーパーセカンドの代表格的存在です。エレガントさとバランスがうまく結合したスタイルで、後味のフィネスと長さ、そして新鮮さという点で、レオヴィル・ラスカーズやグリュオ・ラローズなどの他の2級シャトーより秀でています。
Chateau Leoville Las Cases シャトー・レオヴィル・ラス カーズ
サン・ジュリアンはメドックで最も品質向上が著しい産地です。格付け2級のどのシャトーをとっても、失望させられることはありませんが、レオヴィル・ラス・カーズは常に先頭走者です。ボルドーで最も恵まれた畑を有するシャトー・ラトゥールと連続する最良の区画「グラン・アンクロ」から、ラトゥールにひけをとらないワインを生産しています。
サン・テステフ
Chateau Cos dEstournel シャトー・コス・デストゥルネル
ミシェル・レイビエ率いるコス・デストゥルネルは、ジャン・ギョーム・プラッツ(現・ドメーヌ・バロン・ド・ロスチャイルド・ラフィットCEO)が支配人を務めていた時代に築いた最先端の醸造設備と、リモート・センシングを駆使した栽培で、ラフィットやモンローズを脅かすワインを造っています。
Chateau Calon Segur シャトー・カロン・セギュール
ハートマークのラベルでよく知られている日本でも人気の高いシャトー。カロン・セギュールの要は醸造責任者のヴァンサン・ミレです。マダム・ガクストンの時代に始まり、保険企業「シュラヴニー」が買収してからも、支配人のローラン・デュフォの下で彼が才能を発揮しています。醸造設備にも十分な投資が行われており、品質をより確かなものにしています。
サン・テミリオン
Chateau Cheval Blanc シャトー・シュヴァル・ブラン
オーゾンヌとともに長年サンテミリオンのトップとして君臨し続ける造り手です。近年、土壌調査によって、礫土壌の区画はカベルネ・ソーヴィニヨンに植え替えるなど、緻密で正確な栽培に注力しています。ピエール・リュルトンが支配人を務め、ピエール・オリヴィエ・クルーエが技術責任者を務めるシュヴァル・ブランのワイン造りは、あらゆる点で機能的で理にかなっています。
L'if リフ
リフはサンテミリオン特別第一級のトロロン・モンド、モンドットといった銘醸シャトーに近い、10haにも満たない畑のブドウから造られます。元はシャトー・ラ・ブイグという名の土地を、シャトー・ルパンのオーナー、ジャック・ティエンポン氏が2010年に購入。5haの畑に加え、別の区画を買い足し、2011年よりリリースしています。(一般市場には2012年より流通)シャトーは現在も改革中で暫くは1000ケースにも満たない生産量のレアワインです。
ポムロール
Petrus ペトリュス
ポムロール地区を代表する最高級ワイン「ペトリュス」。全くの無名の状態から、1889年のパリ博覧会で金賞を獲得し、その名声を高めていきました。青い粘土を含む特別な土壌の小さな11.5haの畑から、ほぼメルロ100%で、厳格な管理のもと極限まで丁寧に仕上げられることにより、卓越した品質を誇るグラン・ヴァンが生み出されます。
Le Pin ル・パン
1980年代初めにポムロールに誕生し、約10年間で伝説となったシャトー「ル・パン」。ガレージワインのパイオニア的存在であり、その圧倒的な品質は世界中のワイン愛好家を魅了しています。所有している畑はわずか2haほどで、年間生産量は500~600ケースと極少量です。エキゾチックで華やかなブーケを放つ、メルローの最高傑作ともいえるワインです。
グラーヴ
Chateau la Mission Haut-Brion シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン
ラ・ミッション・オーブリオンは、道を1本挟んでオー・ブリオンと向かい合って位置しています。1983年にオー・ブリオンのオーナーであるディロン社が買収してからは、醸造スタッフの入れ替えや最先端機器の導入などの改革が行われ、その品質を大幅に高めました。オー・ブリオン最大のライバルとされ、その力強く、豪快なスタイルは世界のワイン通から愛されています。
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