シプリアン・アルローは、モレ・サン・ドニ村にて「ドメーヌ・アルロー」を率い、わずか10年ほどでその名を村随一の地位に押し上げた、“100年に一人の天才”と称される醸造家です。アンリ・ジャイエ、ルフレーヴ、ロマネ・コンティの醸造家たちと並び称され、「情熱」「知性」「品格」のすべてを兼ね備えたその姿勢には、名だたるトップ生産者たちも一目を置いています。
2018年までは、自社畑で造る「ドメーヌ・アルロー」とは別に、「農家協業型=グローワーとの共同作品」として「エ・アルロー」を展開。これは“ネゴシアン・ヴィティクルチュール”(※ネゴシアンでありながら畑仕事にも深く関わるスタイル)という先進的な取り組みでした。そして、このプロジェクトの成熟を受け、2019年ヴィンテージから自身の名を冠し、ドメーヌものと遜色ないその品質を保証する「シプリアン・アルロー」のリリースを開始しました。
アルローは、ノウハウや哲学を農家と共有し、成功と喜びを分かち合うことを大切にしており、あえてネゴシアンという立場で畑に関わり続けています。自身の知識や技術を惜しみなく開示し、地域に還元するその姿勢は、ブルゴーニュ全体に新たな価値をもたらしています。商業的な利益よりも理念を優先し、ワイン造りを通して人と土地をつなごうとする彼の挑戦は、ブルゴーニュの新しい未来を切り拓くものといえるでしょう。