シャトー・ローザン・セグラはペール・デ・メシュール・ド・ローザン氏が、1661年に畑を開いたことから始まりました。シャトーの名声は広まり、1790年にはアメリカのトーマス・ジェファーソンが視察に訪れ、数ケースを購入した記録も残っています。
1855年のメドック格付けでは第2級に認定され、当時は第2級シャトーの中でもトップクラス、ムートン・ロートシルトに次ぐボルドーの最高峰ワインのひとつと評されました。その後、1973年にムートン・ロートシルトが1級に昇格したことで、ローザン・セグラは現在、2級シャトーの中でも最上位に位置すると言えるでしょう。1960~70年代には一時低迷を経験しましたが、1983年のオーナー交代を機に、品質が大幅に向上しました。ワイン醸造施設の刷新や新樽使用比率の引き上げ、さらに厳格なブドウの選別などの改革を実施。その結果、輝かしい品質のワインが次々と生み出されるようになりました。
1994年、「シャネル」のオーナーであるヴェルテメール家がシャトーを取得。約6億円規模の大規模な投資により、畑の排水設備の整備や植え替え、新セラーの建設、醸造所の改修などが行われ、品質のさらなる向上と名声の復活を遂げました。
その結果、「格付け第1級に最も近い実力を持つシャトー」として、改めて高い評価を受けるようになりました。
所有畑は、シャトー・パルメの正面に広がる好立地にあり、合計52ha。その多くがシャトー周辺に集中しています。現在の総責任者は、シャンパーニュ、アルゼンチン、ボルドーで経験を積んだニコラ・オードベール氏。2014年よりボルドーを拠点に、シャネルが所有するシャトー(ローザン・セグラ、カノン)の指揮をとっています。そして、30年間献身的にシャトーに貢献してきた醸造長のアンリ・デュリュフレ氏と共に、日々品質向上につとめています。