ヴーヴ・クリコ・ポンサルダンは、1772年にシャンパーニュ地方で創業したメゾン・クリコから生まれたシャンパーニュブランドです。ブランド名の「ヴーヴ・クリコ」とはフランス語で「クリコ未亡人」を意味し、1805年、若くして亡くなった夫の経営を引き継いだマダム・クリコに由来します。
マダム・クリコは、当時珍しかった女性起業家として、男性中心の時代にメゾンの地位を確立しました。「品質はただひとつ、最高級だけ」という信念のもと、ルミアージュの発明やロゼ・シャンパーニュの初成功など数々の功績を残し、シャンパーニュ界で「偉大な女性(ラ・グランド・ダム)」と称えられています。
1987年にLVMHの傘下に入ったことで世界的な販売網が広がり、英国王室御用達にも認定されるなど、シャンパーニュブランドとしての確固たる地位を築きました。また、日本では2004年にノンヴィンテージのロゼを桜の季節に合わせて発売。ローズラベルは女性を中心に高い評価を受け、日本国内で大きな注目を集めました。
また、メゾンの代名詞であるイエローラベルは、商標登録された存在感ある色彩で、「太陽のように輝くブランド(ソレール)」という哲学にも通じる、ヴーヴ・クリコのエネルギッシュな精神を象徴しています。現在もマダム・クリコの理念は受け継がれ、丹念に仕上げられたシャンパーニュのみがヴーヴ・クリコの名を冠しています。