ヴァンサン・エ・ソフィー・モレは、シャサーニュ・モンラッシェの名門ベルナール・モレの長男ヴァンサンが、サントネイ出身の妻ソフィーと共に設立した家族経営のドメーヌです。
畑は双方の家族から受け継ぎ、総面積は約20ha。すべて自家瓶詰めするわけではなく、一部はネゴシアン向けに樽で販売しています。白ワインはシャサーニュ・モンラッシェを中心に、赤ワインはサントネイを中心に展開。弟トマ氏と畑を分け合ったため面積は限られるものの、特級バタール・モンラッシェやピュリニー・モンラッシェ一級トリュフィエールなどの希少な畑も所有しています。
醸造は父ベルナール譲りの手法を受け継ぎ、白ワインは圧搾後デブルバージュを経て小樽発酵。新樽比率は約40%ですが熟成期間は10か月と短めで、2週間に一度バトナージュを行います。赤ワインは除梗せず全房で発酵し、50%新樽で14か月熟成。豊かな果実味を前面に押し出しつつ、タンニンがしっかり溶け込んだ柔らかい味わいに仕上がっています。
父ベルナールの精神を受け継ぐ白ワインは、力強くリッチでシャサーニュ・モンラッシェらしい個性を持ち、往年のスタイルを彷彿とさせます。また、所有する一級畑の多くは小区画で生産量が限られるため、特にレ・ザンブラゼ(3.79ha)以外のワインは希少性が高く、入手は困難です。