ガティノワは、シャンパーニュ随一のピノ・ノワールを誇る特級畑グラン・クリュ「アイ村」に拠点を構えるレコルタン・マニピュラン(RM)。小規模ながらも著名メゾンに引けを取らない品質を誇ります。
所有する畑は、アイ村の中でもとりわけ優れた南東向きの急斜面に位置し、粘土質と石灰質の土壌をもつ27区画・計7.2haに広がっています。この区画は、「ボランジェ」や「クリュッグ」と並ぶ最上の畑とされ、3ツ星生産者ジャクソンのオーナーも羨むほどの卓越した立地で、樹齢60年以上の古木も多数保持しています。
畑作業や収穫はすべて手作業で行い、厳しい選果を実施。醸造では、300年続く伝統を守り、垂直型プレス機で目視による圧搾をコントロール。小型のステンレスタンクで丁寧に発酵し、マロラクティック発酵後、最低2年間の瓶内熟成を経て手作業でデゴルジュマンを行います。最良の区画、最良の果実のみを自社のシャンパーニュ造りに用い、それ以外のブドウは三ツ星の名門メゾンになど他所に売却しています。
先代のピエール・シュヴァル・ガティノワ氏は「シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ」の世界遺産認定に大きく貢献した人物で、2016年にはDRCのオーナー、オベール・ド・ヴィレーヌ氏と並び「フランスを代表する生産者」に選出されました。現当主で12代目のルイ・シュヴァル・ガティノワ氏は、地質学と地下水研究に基づく知見を活かしながら、アイ村の個性をより深く掘り下げています。また、ビオ栽培を研究するトップ・レコルタンのチームにも参加し、伝統を守りつつ革新を取り入れる姿勢が注目されています。アイ村のピノ・ノワールが持つ、芳醇さ、力強さ、ストラクチャーを見事に表現する注目のレコルタンです。