ジョルジュ・レミは、ブジーに拠点を置く注目のレコルタン。ブノワ・ライエやアントワーヌ・パイヤールに続く新星として期待されています。元詰め比率は全体の20%という少量生産ながら、2017年の初リリース以降、瞬く間に欧米で話題となり、世界中のバイヤーの争奪戦に。2018年には日本にも上陸し、現在はリューディを含む全キュヴェが展開されています。
畑は計4.66haで、ブジーを中心に、アンボネイ、ルーヴォワ、トクシエールの4村に点在。すべてエコセール認証を取得したビオロジックで管理され、ライエやパイヤールと共同で有機堆肥を作るなど、ビオディナミの手法も積極的に取り入れています。古木も多く残されており、パイヤールと協力してマサルセレクションを実施。植え替え時にはブルゴーニュの「ピノ・ファン」の穂木を用いています。
醸造は区画ごとの個性に合わせた対応を重視し、シャンパーニュでは珍しい4000kgと2000kgのプレス機を導入。樽を使用し、野生酵母で発酵。亜硫酸の使用は圧搾時のごく少量にとどめ、ドザージュもゼロまたは極少量に抑えられています。ナチュラルで柔らかな味わいが特徴です。
さらに特筆すべきは、コトー・シャンプノワの名手としての評価です。レミ家は17世紀から続く栽培農家で、父の代まではすべてのブドウをネゴシアンに販売していましたが、ジョルジュが2011年に家業に加わり、自社元詰めを開始。ボルドーで醸造を学んだ彼は赤ワインに強い関心を持ち、2014年にシャンパーニュ造りを始める前に、まずコトー・シャンプノワからスタートしたという異色の経歴の持ち主です。新進気鋭ながら、彼のコトー・シャンプノワはすでにミシュラン三つ星「ラシエット・シャンプノワーズ」、二つ星「レ・クレイエール」にオンリストされるなど高い評価を獲得。ワインレポートでも「エグリ・ウーリエがボンヌ・マールなら、レミはミュジニィの趣」と絶賛されるほどの完成度を誇ります。