ポール・ゴッセは、シャンパーニュで初めてアグロフォレストリー(畑全体を自然の一部として整える農法)を本格的に導入した注目のグローワーです。土地・ブドウ樹・ワイン・環境の共生を哲学とし、2020年代のシャンパーニュを象徴する存在として高い関心を集めています。
当主のポールは20代半ばでアヴィーズの醸造学校で学んだ後、2016年にドメーヌへ戻り、父ミシェルとともにワイン造りを開始。アイ、マレイユ・シュール・アイ、ディジー、シュイィの特級・一級畑、計3.5haを引き継ぎ、家業の中核を担っています。ドメーヌはアイ村、ボランジェの本拠地のすぐ下に位置。果樹や灌木を共存させる畑の景観はシャンパーニュでも稀です。短期的な効率より「理想的な農業」を重視し、除草剤や殺虫剤は使わず、資材面でも環境配慮を徹底しています。
そのワイン造りの核となるのが、父ミシェルが2004年から続けてきたパーペチュアル・リザーヴです。季節ごと、年ごとに生まれるワインを少しずつ継ぎ足すことで、単一年では表現できない深みと安定感を生み出しています。ポールはこの積み重ねを受け継ぎ、長い時間をかけて育てるという家族のワイン造りを、自身のキュヴェに反映させています。