Les Freres Mignonは、フロランとジュリアン・ミニョン兄弟が2016年に設立したシャンパーニュのグロワー(小規模生産者)です。丁寧な畑づくりと自然派的な醸造により、ミネラル感豊かで透明感のある美しいシャンパーニュを生み出す若手生産者として評価されています。彼らのシャンパーニュは瞬く間に支持を集め、ベレッシュをはじめとする一流ネゴシアンからも注文が寄せられるようになりました。さらに、兄弟はベレッシュやポール・ゴッセらと定期的にワイン会を開き、互いに情報や技術を共有しながら切磋琢磨を重ねています。
ドメーヌの歴史は、2015年に協同組合や大手メゾンにブドウを売っていた両親の畑を引き継ぎ、自らの手で元詰めを始めたことに端を発します。初年度には、圧搾機、温度調節機能付きステンレスタンク、醸造所、樽、ワイン貯蔵庫を備えた建物を新たに建設。2016年に初めての葡萄収穫を行い、2019年に初リリースを迎えました。
所有畑は、母方からはアヴィーズ、父方からはクラマン、さらにプルミエクリュのキュイやキュミエールの畑を受け継ぎ、グランクリュとプルミエクリュの区画が充実しています。父親の時代から再開拓が進められ、現在ではすべての区画が除草剤を使わず、プラウで耕す(犂で土を深く掘り返し、根や水はけを整える伝統的な方法)ことで管理されています。2016年からは1.5haの畑で有機/ビオディナミ農法が実践され、その他の畑はリュット・レゾネ(減農薬農法)が採用されています。現在、畑全体の8.5haはマッサール・セレクションで選別され、有機栽培で管理。畝間には5種のカバークロップを植え、ハーブオイルを散布するなど、土壌とブドウの健康を丁寧に保っています。醸造は野生酵母で発酵させ、基本は樽発酵して熟成。亜硫酸の添加量は最小限に抑え、清澄・ろ過は行いません。ティラージュ(瓶詰め)はコルクで行い、ドザージュはごく少量かノンドゼ、ノンマロのスタイルで仕上げられています。
その独創的なアプローチと高い完成度は広く評価され、アヴィーズ村にあるジャック・セロス経営のホテル「レ・ザヴィゼ」のレストランにオンリスト。さらにはDecanterの「シャンパーニュレポート2024」において「注目すべきコート・デ・ブランの生産者5人」にも選出されるなど、今まさに注目の自然派シャンパーニュの新星といえます。